喫茶アンは大泉学園駅近くで長く親しまれる
昔ながらの喫茶店
Profile
- 住所
-
178-0063東京都練馬区東大泉1丁目30-3 大泉不動産ビル2階
- 営業時間
- 8:30~18:00(LO17:30)
- 定休日
- 元日
Story
地域の皆様に愛されて約40年
大泉学園駅近くにひっそりとたたずむ、昔ながらの喫茶店「喫茶アン」。
忙しい方でも気軽に立ち寄れる場所にあり、落ち着いた雰囲気のお店である。
創業1981年、この喫茶店は何度も足を運ぶ常連さんが多く、40年以上地元の方に長く愛され続けている。
今回は、なぜ喫茶アンが地元のひとに長く愛され続けているのか焦点を当て取材をしてきた。
やはり、愛される1番の秘訣は喫茶アンの店主の人柄
二階にある店の扉を開けると、岡本さんがいつも通りのやわらかい笑顔で迎えてくれる。
その瞬間、「あ、帰ってきたな」と思えるような安心感がある。
店主の岡本尚子さんは、人と関わることが好きな方だ。
元旦を除いて毎日店に立ち、訪れる一人ひとりに声をかけている。
ふとした表情や雰囲気を見ながら、さりげなく距離を縮めてくれるのが印象的だ。
気がつけば、ただのお客さんではなく、どこか身近な存在として接してくれていると感じる。
そうした関わりがあるからこそ、この場所にはまた戻ってきたくなる。
私たちにとって、岡本さんはどこか第二の母のような存在なのかもしれない。
今の喫茶アンになるまで
岡本さんは、もともとデパートでネクタイ販売の仕事に携わっていた。飲食業は未経験だったが、そこで培った接客力や、人の表情・空気を読む力は、今の喫茶アンにも深く息づいている。
なかでも、印象的だったのが、ネクタイ売り場でのエピソードだ。
夫婦で来店したお客様に、最初は男性本人に商品を勧めていたものの、なかなか購入にはつながらなかったという。
というのも、岡本さんがどれだけ丁寧に提案しても、最終的には隣にいる女性が首を横に振ることが多かったからだ。
そこで、ある時から女性に向かって「こちらはいかがですか」と声をかけるようにした。すると、それまで苦戦していたのが嘘のように、スムーズに購入してもらえるようになったという。
「男性が買うものでも、実際に決めるのは隣にいる女性。接客を通して学んだことの一つです」
お客様が本当に求めているものは何か。誰がその場で決断をしているのか。相手をよく見て、その人に合わせて接する。そんな経験の積み重ねが、今の岡本さんの細やかな気配りへとつながっている。
あの映画の撮影にも使われた、木のぬくもり溢れる空間
2025年公開の映画「35年目のラブレター」の撮影にも使用された喫茶アン。
映画のワンシーンのような、どこか懐かしく温かな空気が店内いっぱいに広がっている。
大きな窓から差し込むやわらかな陽の光、緑色の椅子、そして木のテーブル。レトロで落ち着いた空間は、おひとりでも、ご家族や友人とでも、思い思いの時間を過ごすことができる。
思わず笑顔になる、長年愛され続ける絶品ピラフ
喫茶アンの看板メニューは、種類豊富なピラフ。
そのなかでも、岡本さんおすすめの「きのこと玉子のピラフ」は外せない一皿だ。運ばれてきた瞬間、ふわとろの玉子が目を引く。黄金色に輝く玉子の下には、きのこの旨みがたっぷり染み込んだピラフが隠れている。
ひと口頬張ると、やさしい玉子の甘みと、きのこの豊かな香りが口いっぱいに広がる。絶妙な塩加減が素材の美味しさを引き立て、食べるたびに心まで満たされる、喫茶アン自慢の一皿である。
おわりに
今回、実際に喫茶アンさんを取材させていただき、改めて感じたのは、この喫茶店の温もりと安心感だった。
長く接客業をしてきた岡本さんだからこそ、これまで楽しいことばかりではなく、さまざまな苦悩もあったのではないかと思う。それでも、その苦悩を乗り越えてきた岡本さんからは、どこか包み込んでくれるような優しさが感じられた。
その優しさは、お店の雰囲気だけでなく料理からも伝わってくる。ただ「美味しい」だけではなく、「また食べたい」「今度は他の料理も食べてみたい」といった前向きな気持ちが、料理をいただくたびに自然と湧いてきた。
一度だけでなく、二度、三度と足を運びたくなるような安心感のあるこのお店を取材できたことを、私たちはとても幸せに感じている。
