カフェ バトン(baton)

手作り煮込み料理のカフェ・バトン
自然体で過ごせる場所

Profile

住所
284-0003
千葉県四街道市鹿渡1033-18
営業時間
11:00~17:00
定休日
毎週日曜日・月曜日

Story

線路近くの路地裏に、ひっそりと佇むカフェ・バトン。
外に出かけたはずなのに、まるで自宅にいるような感覚に包まれる。静かだけれど、決して話しづらくはない。
そんな、不思議な居心地の良さがある店内だ。 今回は、店主一家で営むこの店の成り立ちと、マスターが大切にしている想いについてお話を伺った。

開業に至るまで

デザイン事務所を構え、クリエイターとして活動してきたマスターの両見英世さんは、あることを課題に感じていた。
それは、職業の特性上、デザインの制作から納品、そして対価を得られるまでに時間がかかるということである。

転機は、中学生時代に通っていた学習塾の恩師からの一本の電話だった。
「学習塾として借りていた建物をそろそろ返そうかと思っている。」
当時は子育て中ということもあり、自宅兼事務所では何かと不便だと感じていたため、新たな仕事場を探していたマスターは、この建物を借りることにした。
ところが、借りた矢先の2019年、関東を襲った台風によって屋根が飛ばされてしまう。事務所は自宅に作ることになったが、その後、家主から建物の譲渡を提案されたことで、この建物をどう生かすか考えることになる。

普段からチームを組み、周りの人の力を借りながら仕事をしてきたマスター。この場所も、自分たちだけで使うより、誰かにくつろいで使ってもらえるような使い道はないだろうかと考えた。
そこで、妻である店主・めぐみさんの調理経験に目を向けた。当時、保育園の給食づくりを行っていためぐみさんは、大量調理の技術に加え、毎日異なる献立を安定して提供する経験と、徹底した衛生管理の知識を持っていた。

人々がリラックスできる空間としての使い道。めぐみさんの調理技術。加えて、事務所の課題であった、対価を得られるまでのタイムラグを補えるもの。
それぞれがつながり、煮込み料理を2~3日替わりで提供するカフェ・バトンを開業することにした。
煮込み料理を選んだ理由は、大量調理ができ、煮込めばいろいろな料理がおいしくなること、そして何より、お客さまを長くお待たせせず素早く提供できるからだという。

「ごちゃまぜ」

本業であるデザインは、その世界観に惹かれる人と近づくツールである。
一方で、異なる世界観を持つ人を遠ざけてしまうツールにもなる。
カフェで例えるなら、内装を整えすぎることによって、サンダルで行けるような気楽さが消えてしまう一面である。デザインには、人を引き寄せる力と同時に、無意識のうちに選別してしまう力がある。

「偏見を裏切るような、普段ならあまり掛け合わせないところ、『ごちゃまぜ』が好き。」
そう話すマスターは、中学生のころから、クラスのやんちゃな人とも、物静かな人とも分け隔てなく接してきた。特定の属性の人だけがいる空間よりも、異なる人たちが交わる場所に居心地の良さを感じていたという。
さまざまな人がいる「ごちゃまぜ」な空間が好きだからこそ、カフェのターゲットを細かく絞ることはしない。 親子連れも一人客も、異なる人たちが自然に共存できる場所を目指している。

あれもこれもデザイン

レジの前には地域のチラシを貼り、カウンター上のレモン漬けのサーバーには、梅酒づくりを思わせるような、懐かしさを感じるガラス瓶を使っている。
これらの工夫は、身近さを感じてもらうために、「程々に」やっていることだという。
「仕事仲間に見せたら『この部分甘くないですか?』と言われる部分もあるかもしれない。けれど、程々のところで手を止めて親しみのあるお店にしたいなと思った。」
デザイナーとして培ってきた技術は、人を選ぶ空間を作るためではなく、誰もが気軽に足を運べる空間を作るために生かされている。

「お店って、総合的なデザインだと思っている。音、味、におい、見た目、手触り。五感すべてに訴えかける。デザインの仕事で平面(チラシやWeb)を扱っているのとは違う、立体的な体験を作っている。 お店の回転率を上げるような設計をするお店もあるけど、僕の考えはそうではなく、リラックスして長く過ごしてもらいたい。」

Q&A

Q:これまでお店をやってきた中で反省したことは?

A: 満席だったことで、お客さんを帰らせてしまったこと。
行列をわざと作るようなやり方もあるけど、僕らが意図しているところではない。

Q:家族でお店をやっていることでよかったことは?

A: 想いの共有の部分。何をどうするといった細かな匙加減は、妻とじゃなかったら想像できない。
「程々に」とやっていることも、他の人にはなかなか理解されないと思う。

Q:マスターの人生の中での「バトン」の位置づけは?

A: デザイナーとしての活動履歴の中の重要な作品の一つ。
そして、今の一番。閉店して、夜になってもずっとお店のことを考えている。

Detail

企業名

バトン(baton)

電話番号
043-312-6193
お問い合わせの際は、「何者47」を見たとお伝えください。
ウェブサイト・ブログ・SNS
事業承継

求人募集

記事投稿者

産業能率大学・三田涼菜
(2026.8.9現在の情報)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!